今更ながら折り畳み自転車の真価に気づき、欲しくて仕方なくなってるのだが、そういえばこれまでの人生で一度も乗ったことがないはず。実際の走行性能がわからない以上、試乗しないことにはあまり買いたくない。

正直、ロードに手を出すようになってから小径車全般は無意識に興味の対象外になっていた。見下すわけではないのだが、どうせ性能は低いんだろうなみたいな先入観もあった。ただ、折り畳みで奥多摩や飯能の峠を普通にヒルクライムしてるらしい人もいるとかなんとか。

というわけで近場で試乗させてくる店舗を訪れたのだが…
折り畳みを試乗できる店舗
まずこの店舗(仮にYとする)だが、複数の店員と話しても態度があまりよくない。とにかく全てにおいて面倒くさそう。やる気なさそう。かったるそう。そもそも自転車は好きじゃないってのも大いに伝わってきた。

そんな聖大店員様の大いなる格別のご厚意を賜り、ブロンプトンを試乗させて頂いた訳だが、これが控えめに言わせてもらうとゴミだった。
ブロンプトン サドル高66cm
少し走っただけで「もういいわ」と。店員からは10分で帰るように言われていたが、厳密に時間は計測してないものの、恐らく6~7分程度で突っ返したと思う。上野周辺という都内でも自転車で走るには向いてない地域だった事を加味してもなお酷い。
ブロンプトン
まず、直進安定性が頗る低い。なんでこんなフラつくんだろうかってレベル。小径車はホイールが小さいからハンドリングに過敏に反応しやすいみたいな事は後で知ったけど…。

慣れの問題やポジションの問題もあるんだろうが、とにかく真っ直ぐに進まないのでスピードも出せない。このフラフラ状態で公道の路側帯は走りたくない。徒歩よりは速いにしても快適度が低すぎて乗ってて辛い。

あと一応Vブレーキではなくキャリパーブレーキがついてるのだが、これが本当に酷いカックン系。
ブロンプトンのブレーキ
まぁ俺にブレーキ性能を語るだけの能力もないと思うのだが、とりあえずコントロール性は皆無というのは伝わった。

ブロンプトンが人気車種だとか折り畳んだときのコンパクトさは秀逸なんだろうとかいうのは分かるんだけど、実際に乗ってみたら即座に購入リストから外さざるを得なかった。

これが小径車全般の宿命なのか、メーカーの特徴なのか、はたまた試乗車固有の問題なのか切り分ける必要があったが、普通のお店であれば試乗したあとは「どうでしたか」とか訊かれて、そこから話が進展するものの、Yに関してはそういう事は一切ない。

なので、もうこの店に金は一切落としたくないという感情が生まれた。店内には候補の一つのダホンも試乗不可ながら鎮座していたのだが、こいつらともうこれ以上は商談はしたくないし、どうせ売ってるものに対する知識もないだろうし、そもそも売る熱意もないんだろうと。

数日後、たまたま祝日にしては早起き(10時~)出来たので、埼玉のとある店舗に行くことに。

この店舗はダホンの試乗車を用意しており、事前に問い合わせした時の感触もすごくよかった。あと、前からたまに店のブログも読んでいたのだが、これが結構面白かったのも好印象。

まぁ場所は少し遠い。

小堀川や手賀沼を含めていいならサイクリングロードのみを経由して行くこともできるが、もう荒川と江戸川は走り飽きたので今回は自宅からの最短距離で国道を通る事に。
浅草から国道
運悪く埼玉だけを雨雲が通過していてにわか雨に襲来されたり、事故でカーボンボトルケージが割れたりとふんだり蹴ったりだったが、2時間程度で到着。
柏
店員にダホンのK3の試乗希望を告げたら身分証明書すら求められなかった。まぁ買い手の属性を見て判断してるのかもしれない。Yだと顔写真つきの証明書のコピー取られた挙げ句、住所名前氏名全て記載させられるが、これは一概にどっちが正しいかは言えない。

試乗環境は上野より更に悪かった。そもそも店舗自体が駅前にあって快適に走れるコースもないのだが、当時はたまたま夏祭りがあったので周囲は封鎖中と来た。しかも試乗中にも複数回ニワカ雨を食らう始末。

でも乗ってみて即座に「すげぇ、これまじで小径車かよ」と感じた。
ダホンK3
先日試乗したブロンプトンはマジでなんだったのかと。Yのクソ整備でフォークが固定されてなかったのかな。

このダホンのK3、14インチで7.8kgと一見サイズや軽さの前にその他を犠牲にしたモデルに見える。それでもママチャリやレンタサイクルで借りられる自転車より明らかに上、クロスバイクよりやや劣る程度の走行性能はあると思う。これなら公道の少しガタつく路肩を走ってても怖くない。

もしこの直進安定性に理由があるとしたら、試乗車のタイヤはシュワルベのビッグアップルに交換されてることが関係してるかも。
シュワルベのビッグアップル
そのサイズなんと50C。モダンロードの2倍。つか日本代理店はこのサイズは輸入してないらしいから、どうやって買えばいいんだって感じだが…。

ギアは3速しかないが、53x9なんてプロでも使わないようなギア比でも案外700Cよりは全然軽く踏めた。割と考え抜かれた3速かもしれない。
53T
BBはオクタリンクっぽいのだが、あれは下位グレードだと300gぐらいあるし、コッタレス抜きでなめてしまうとクランク破壊するしかないのが厄介。ただしクランク自体は肉抜きされてて軽そうだし、ギア比もこのままで不満はないので交換は急務ではなさそう。

強いて問題点を論うとしたら、シフターの操作がいまいちな事と、あとブロンプトンほど顕著ではないにしろ、やはりフロントブレーキはカックン系。ダウンヒルではリアブレーキのみ掛けたいぐらいの加減の無さ。
Vブレーキはゴミ
まぁVブレーキって時点で大きな期待はできないのは分かっていたが、ここは残念過ぎるので、店員と相談してみたが、キャリパーブレーキへの換装は少なくともビッグアップルを使っている限りは厳しいらしい。店でも試した事はなさそうである。

他にも色々と話してみたが、ポジションの調整は難しそう。ただし小径車にロードみたいな前傾姿勢で乗るべきなのかって疑問もあるし、今のままでもクロスバイクに準ずる程度の走行性能はありそうだからこの部分は不問。

それで、短時間の試乗だったが、滞在先での足以上に使える事は分かったので、「もうこれでいいわ」と購入することにした。

正直もう少し別の折り畳みも試してみても良かったというか…、例えば同じダホンでもDove Plusとかあるし、他メーカーなら、K3より数万高いだけで20インチホイールなのに更に小さく折り畳めてエンド幅130で外装変速できる車種も普通にある。

それでも…たとえば避暑地や離島にK3を持ち込んで、そこで駐輪して買い物をしたり、ちょっとした散歩がてらに林道を走ったりする事は十分に可能だと想像できた(最悪、気に食わなくてもメルカリで定価の60%ぐらいで売ればいいじゃんとか)。

加えて、ここまで短時間に話が進んだのは、「この店舗ならお金落としたい」って気持ちも後押ししたと思う。試乗の機会をくれた上に、店員とは普通に自転車の会話が出来たし、少なくとも自転車に興味があって、自転車が好きなんだろうなというのは分かった。

あと定価でも喜んで払ったのだが、実はこの埼玉の店舗は10%引きだった。Yも同じく最大10%引きなんだけど、現金払いのみで、しかもポイントで還元という方式だったはず…。価格競争ですら負けているというのは意外。

スポーツ系の自転車業界は売上がピークに達して云々…はよく言われてるけど、そもそも売りたい側に自転車に対する愛や熱意がないYだと生き残りも大変なんだろうなと思った。あ、だから年々と店舗が減ってるのか。新宿とアサゾーだけは残って欲しいけどね。